一度に多額の借金をしてしまったり、あるいは複数の貸金業者からの借金が重なるなどして、返済がうまくいかず、生活にも支障をきたしているという場合には、まずは債務整理によって身軽な状態になることを目指すべきといえます。
そうした債務整理の手段としては、いくつかのものが考えられますが、個人再生も比較的多く用いられる手段のひとつです。
個人再生というのは、裁判所への申立てによって、個人再生計画とよばれる計画書を作成し、これにしたがって借金の完済をめざすものですが、多くの場合、返済時期を延長したり、借金の一部を棒引きにするといった内容を盛り込むことが認められますので、生活再建のためにはきわめて有効であるといえます。
ただし、個人再生にもいくつかの種類があり、一定の条件を満たす必要があるほか、計画書に対して銀行や貸金業者などの債権者の多数からの同意をとりつけなければならないため、場合によっては手続きが進まないこともあり得ます。
借金をするにあたっては、金銭消費貸借契約書とよばれる契約書に記入捺印の上で、貸した人、借りた人の双方が、それぞれ一通ずつその契約書を保有するというのがふつうであるといえます。
しかし、貸した側にしてみれば、いくら契約書があるからといって、相手に借金を踏み倒されてしまうおそれがあることも否定できず、たいへん不安なものです。
そこで、契約書の実効性を高める目的で、この契約書を公正証書として作成することも行われています。
公正証書というのは、国家公務員の一種であるところの公証人に、契約書の真正性や作成の日付を確認してもらうという、特別な型式で作成された文書のことであり、ほかには遺言書などでも多く用いられています。
借金の契約書を公正証書型式とすることによって、あとで借金の返済がとどこおるようなことがあったとしても、法律の手続き上、給与や預金を差し押さえて債権を回収することが、すみやかにできるようになります。
Last update:2024/6/6
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